OH!MYコンブ ミドルを読んだが何もわからなかった

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2021 年早々に「OH!MY コンブ」の新作が連載されると聞いて思考回路がショートした。
読んだら余計何もわからなくなってしまった。

OH!MYコンブとは

「OH!MY コンブ」は、1990 年にボンボンで連載されていた少年漫画及びアニメ作品。
小学生である主人公のコンブとその仲間たちが、実在するお菓子や食品を使った創作料理「リトルグルメ」を作って、問題を解決していくギャグ形式。
地味に秋元康がプロデュースしているのも特徴。

ボンボンらしい(失礼)キワモノ漫画のひとつであり、以下のようなトンデモグルメが横行した。

  • カップヌードルの麺と食パンとご飯を海苔で巻いた、炭水化物 in 炭水化物 in 炭水化物
  • 生のチキンラーメンの真ん中を削り、ハムと生卵を乗せて、レンチンしてケチャップをかける塩分の化身

一方で、スパゲッティでお茶漬けを作る「茶スパ」、アイスモナカを火で炙る「焼きアイスもなか」など、一定の支持を得るリトルグルメもあった。

途中から読者投稿も採用され、後期はマトモなリトルグルメが多くなった。
何度かシリアスな展開が挟まったりして、子供ながらに熱く読ませていただいた思い出がある。
箸のマナーとか、ライスを食べる方の手とかはこの漫画で学んだ気がする。

ボンボンでは他に「コングル Good」という漫画もカルト的(失礼)な人気があり、そちらは復刊したが、本作はこの 30 年近く音沙汰なしだった。
ただ、当時のミームとして割と知名度があるのか、ちょくちょくパロディを見ることもある。
近年ではソーシャルゲームの「グランブルーファンタジー」でもネタになった。
イベント「お子様ランチ de OH MY リュミエ~ル♪」&レジェンドフェス開催・レジェンドガチャ更新 | NEWS | グランブルーファンタジー

連載終了後には劇中劇だった「へろへろくん」が連載され、そちらは長寿作品となった。

OH!MYコンブ ミドルとは

OH!MYコンブ ミドル|モーニング公式サイト - 講談社の青年漫画誌

今もわからない。
1 話は、中年になったコンブ、同じく中年な親友「パイ助」が久しぶりに出会い、昼間から公園で酒を酌み交わすという、これこそソーシャルディスタンスを徹底すべき内容だった。

前作の設定通りなら、コンブはヒロインの「メンメン」と結婚して一児の父となり、3つ星レストランのオーナーをやっているはず。そのコンブが治安の悪そうなアパートに一人暮らし、「明日が見えない」などと悲壮感溢れるセリフをこぼしているのだから、何もわからない。
パイ助も世界を股にかける冒険家となっている…と思いきや、仕事を辞めて「昔は楽しかった」などの中年言語を使いこなしている。
そんな 2 人が久しぶり出会って即座にベンチに居座り、菓子を広げて酒浸る。このフットワークの軽さよ。

リトルグルメも健在だが、歳が歳だからか、酒の肴として作る。
ちぎったサラダチキンに砕いたうまい棒をかけ、オレンジジャムを添える。
そして、ハイボールと合わせていただく。子供も遊んでいる公共施設のベンチで…。

連載時のコンブたちは小学 5 年生(満 11 才)なので、そこから 30 年なら約 40〜41 歳。
2015 年が舞台である未来編では、コンブの年齢が 33 歳と明記されている。
この設定を現在の 2021 年に合わせるなら、39 歳。5〜6 年の間に一体何があったのだろうか。
作中の舞台がやたら現代的だったり、コンブの自室に飾ってある写真に映ったシルエットが 1 人分だけだったり(家族の写真じゃない?)、もしかするとパラレルワールドなのかもしれない。

何が一番わからないかというと、続編を企画した編集部だったりする。
「主人公が落ちぶれる続編」をなぜこの作品でやろうと決めたのか…。
それはさておき、またリトルグルメの募集をして欲しい。

電子書籍化

新作の連載に合わせて、前作 1 〜 12 巻も電子書籍化した。
作品自体マイナーな方で、権利的な問題も懸念されたため、配信されるとは思っていなかった。
表紙からお菓子の写真が消えた以外、当時のコミックスから内容の変更はなさそう。
「カール」など地方限定の販売になったり、生産終了となったお菓子には注釈が追加されている。
全体的にカットが雑で、断ち切り辺りのセリフが見切れているのが難点。

終わり

最近の悲壮感漂う系グルメ漫画だと「ご飯は私を裏切らない」が面白かった。
「ご飯は私を裏切らない」|ヤングエースUP - 無料で漫画が読めるWebコミックサイト

この手の設定でやってしまいがちな「周囲の環境への責任転嫁」が一切ないまま最後まで突き抜けた。
主人公がただただ不器用すぎるし、考えるのをやめて、美味しそうにご飯を食べる姿に味がある。