フェニワン2台をダンボールで囲んで少し静音化した
Gamerice_Place 氏の「アケコン用の防音ボックスをDIYした話」を読み、ダンボールでも約 5db ほどの効果が出ることを知ったので、とりあえず現在使用中の 2 台を囲んでみることにした。
フェニワンは打鍵音がめちゃんこぽえぽえなので、以前も静音化をしてサラッと検証した。でも検証が録音だけで、壁に跳ね返った音を拾っているのだから、そりゃうるさいに決まってた。
もうちょっと細かく調べてみることにした。
※この記事は DP 環境向けです。素人の測定なのでアテにならないところもあります。
tl;dr
- 等価騒音レベル 4〜5db ぐらいは小さくなる
- クロネコボックス 14 をカスタマイズするのが良さそう
- ダンボール+吸音スポンジはウォーズマン理論になり効果が薄い
なんでダンボール
DIY する気力がなかった。2 台分の箱を用意するとなると、テレビ台作るレベルになってしまう。
あと、普段はクローゼットにしまうので、手軽に持ち運びできるダンボールが良かった。
DP は腕の可動域が広めなので、横倒した時に少し高さがあるものがいい。
そこで、サイズ的にちょうど良さそうな、クロネコヤマトの宅配用ダンボール「クロネコボックス 14」を購入。
2 箱で 660 円。直営店やクロネコマーケットで買える。
ダンボール自体には遮音性能はないものの、ほんの少し吸音性能がある。
静音化フェニワンに感じるうるささは、ボタンと枠のあそび、打鍵から戻る時の中高域のガチャガチャだと思っているので、それが少しでも減らせたら OK。
計測1: MIN と MAX
最初に、うるさいと思った 3 つのシチュエーションを 5 秒ほどやる。
ダンボールなし、ダンボールあり、ダンボール+吸音材でそれぞれの MIN と MAX を出す。
- 14 鍵全押しバンバンガチャガチャする
- 「カジノファイヤーことみちゃん(A)」の同色階段+縦軸
- 1 鍵を全力で 16 分縦連打
騒音計は、フェニワンから約 1m 奥に iPhone を置いて、アプリで測定。
アプリは米国連邦政府の NIOSH が開発している NIOSH SLMを使用した。
参考までに、部屋が静寂な時は約 32 db、0.5m 以内で PC のファンが回るときは約 42 db、扇風機を約 2m 離して強で回した時が約 51 db だった。
1. ダンボールなし
現在のフェニワンは、2 台ともボタンの接点にフェルトを貼り、バネにシリコンスプレー、内部は少々パテ埋めをしている。その状態でポリエチレンの緩衝材を敷き、ダンボールで囲まず計測。
※単位は db
やったこと | MIN | MAX |
---|---|---|
ガチャガチャ | 61 | 69 |
高速同色階段 | 62 | 67 |
16 分縦連 | 58 | 63 |
結構うるさかった。
ちょっとガチャガチャするだけで 60 台。プレイ中必死な時は 70db を超えるのかもしれない。
音が 2 つ同時に出ると単体より 3db 上がるらしいので、DP ちょっと不利。(参考: 音圧レベルは対数 log で | いずみ過去問研究所)
2. ダンボールのみ
クロネコボックス 14 に入れる。
1P 側のケーブルが PC に届かなくなってしまった。
後ろに穴を開けるとそれはそれで吸音性能が落ちそうなので、全面に切り込みを入れて、ケーブルを通せるようにした。
この状態で計測してみる。
(表中の括弧の数値は、前の結果との差分)
やったこと | MIN | MAX |
---|---|---|
ガチャガチャ | 58(-3) | 62(-7) |
高速同色階段 | 55(-7) | 57(-10) |
16 分縦連 | 55(-3) | 58(-5) |
改善された。
特にガチャガチャの効果が高いのは、鍵盤の反響が抑えられているからだと思う。
3. ダンボール+吸音材
ダンボールの中身をウレタンの吸音材で囲む。
吸音材は rice_Place 氏のブログで紹介されていたものと同じものを用意した。
圧縮されているけど、水につけてしばらくたてば元に戻る。
サイズは、内寸的にギリギリな 3cm を使用。1 箱に 8 枚、計 16 枚使った。
横幅がほぼピッタリ。前方に若干余裕ができたものの、テーブルの端に置いた時の奥行きがなんとなく AC での距離に近そうなので、このままにしておく。
この状態で測定した。
やったこと | MIN | MAX |
---|---|---|
ガチャガチャ | 55(-3) | 60(-2) |
高速同色階段 | 55(0) | 58(+1) |
16 分縦連 | 54(-1) | 58(0) |
苦労というかコストに見合わず、そんな変わらなかった。
ダンボールの吸音とスポンジの吸音が合わさるという、ウォーズマン理論が敗北なのかも。
計測2: LAeq
次に INFINITAS で実際に曲をプレイして、それぞれの等価騒音レベル(LAeq)を出す。
等価騒音レベルは、生活騒音の測定でも使われる、db の時間平均値である。
ダンボールだけで計測するのを忘れていたので、ダンボールなし、ダンボール+吸音材の 2 パターンのみ。
まず、鍵盤の音がどれぐらいの騒音レベルなのか調べるため、40 秒間全押しガチャガチャした。
表は、一応 MAX 値も載せている。
やったこと | LAeq | MAX |
---|---|---|
そのまま | 58.3 | 68.1 |
ダンボール+吸音材 | 54.1(-4.2) | 63.5(-4.6) |
次に「DXY!(A)」両乱をダンボールに入れない状態で 1 回、入れた状態で 2 回プレイした。
これを選曲した理由は、無理皿絡みで着地が多くなりがち、1P 側の同時縦連など、どう考えても騒音にしかならない要素がたくさんあるため。
2 回やったのは、最初の配置が当たってしまいやや手抜きになったため。
やったこと | LAeq | MAX |
---|---|---|
ダンボールなし | 60.6 | 68.1 |
入れて 1 回目 | 55.2(-5.4) | 64.5(-3.6) |
入れて 2 回目 | 56.5(-4.1) | 64.9(-3.2) |
ダンボールだけでも、約 4~5db 低減されることはわかった。
一応、ダンボールを被せた状態で、テキトーに何曲か計測してみた。
平均が 60db 台を下回る結果となった。
やること | LAeq | MAX |
---|---|---|
☆10 Best of Me(A) | 51.7 | 62.7 |
☆11 Battleground(A) | 53.2 | 70.8(ノイズ拾った?) |
☆12 AA(A)両乱 | 54.8 | 61.9 |
☆12 天空の夜明け(A)両乱 | 56.5 | 63.3 |
感想
5db 減るだけでも約 1.78 倍もの差があるらしい。(参考: デシベル計算)
毎回 60 台から 70 出てしまうと、RC の壁はともかくサッシから音が漏れてしまうので、55 前後に収まるのはなかなか良さそう。
さらに効果を高めるなら、遮音しかない。でも、RC で昼間やるぶんには問題ないかと。
欠点は、コントローラー間に仕切りができたので、オプションが設定しづらくなったこと。
自分が MIRROR や RANDOM を設定する時は、設定する方と逆サイドのスタートボタンを押す→設定する方の手で操作する流れになるので、それを片手でやるハメになった。